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Chapter 85.「なぜ、人は学ぶのか」
「先生、勉強ってめんどくさい」「やりたくない」「つまらない」そんな言葉を、僕はこれまでに何度も耳にしてきた。 そう、僕たちは“学ぶ場所”にいる。学習塾。勉強を教える場所だ。 でもね、君がそう思う気持ち、先生には痛いほどわ…
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Chapter 84.「気楽に行こうぜ、Take it easy.」
生きていれば、誰だっていろんな壁にぶつかる。時には、もう逃げ出したくなるような気持ちを抱えることもある。 先生にも、そんな時期があった。東京での19〜22歳の頃。シェアハウスで暮らしながら、ガソリンスタンドでバイトして、…
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Chapter 83. 『今、本気になりたい!』
皆さま、お疲れ様です。 最近も、そして昔からずっと思うのは「今、この瞬間こそが、人生で一番若いとき」だということ。 だからこそ、“今”にしかできないことがある。未来を夢見るのもいい。でも、夢を現実に変えられるのは「今」し…
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Chapter 80. 恋する生徒へ
最近、恋の相談が増えてきた。うちの塾も中学生が多くなってきたし、そういう年頃の生徒も多い。 ってことで、先生からも、ちょっとだけ話してみる。 実は先生、この半年の間に、本気で好きになった女性がいた。 先生も人間、たまには…
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Chapter 79. この馬鹿たれが(自分に言いたいこと)
おい、何してたんだ。この半年間、、 仕事が少し軌道に乗ったからって、調子に乗ってたんじゃないか?酒を飲んで、浮かれて、勘違いして。お前が最初に教育にかけた想い、どこに置き忘れてきた? 自分を見失ってんじゃねえのか。 正直…
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Chapter 78. 祖母が救急車で運ばれた日。
出会いと別れは、いつも突然やってくる。準備なんて、できた試しがない。 昨夜、ばあちゃんが救急車で運ばれた。母からの短い電話。心臓がドクンと跳ねた。生きててくれ、って、こんなに強く思ったのは久しぶりだった。 そういえば、少…
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Chapter 77.「今、満ちてゆく」
つい先日まで、私はある女子生徒と一言も交わすことがなかった。5年前、初めて会ったとき、彼女はまだ小学3年生だった。今では中学3年生となり、時間がどれほど速く流れたのかを、彼女を見て初めて感じた。 あの頃、授業が終わると、…
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『晴れの日のこと』先生もたまに悩む。
春が終わりに近づいて、夏が少しずつ近づいてくる。でも、北海道の5月はまだ寒い。 土曜日の昼過ぎ。昨日、少し飲みすぎたせいで、体がだるい。ゆっくりシャワーを浴びて、歯を磨く。 鞄の中を探すけれど、タバコが見つからない。きっ…
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Chapter 75.「紡ぐ。」
まだ夜が明けきらぬ時間、部屋には静寂と薄明かりが広がっていた。眠気を残したままキーボードに手をかけ、私はぽつりと書き出す 「紡ぐ」と。 まだ10代、20代だった頃。私は漠然と「粋な大人」になりたいと願っていた。理由は単純…
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Chapter 74.「お前の良さは化粧の上手さや爪の長さでは無い、その真っ直ぐな瞳で自分に嘘をつかないで3年間本気でやってみろ。」
2024年、冬。1人の女子中学生が無料体験に来た。 母親と共にやってきた女子生徒は口数が少ない。 希望の進路は清田高校グローバル課程。しかし、生徒の英語はそこまで上手とは言えない。 基礎はあるが、応用が出来ない。 生徒の…