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Chapter 44. 「小学生男子、泣く!それでも授業は止まらない」「英検対策・中学受験・高校受験・清田区学習塾」

金曜日の夕方、17:40に授業が始まる。普段は元気一杯、ここ最近は生意気さ加減もましてきた小学生3年生男子、男の子は多少生意気で元気なくらいが丁度いい。しかし、やることをやる生意気さこそが私の求めてるものである。

授業は毎週恒例の単語テストからスタートする、「70点以上で合格」70点以下は次週再テストと予め生徒に伝えている、正直なところ毎回90点以上を要求したいが、そこまでやると生徒の気持ちが滅入り根本的なやる気を無くすだろう。

しかし、この単語テストの狙いは、ただ単純に単語を覚えるのでは無く、

毎回の課題を70点以上でクリアする力を身につけるために行っている。

英語だけでは無く、他の教科も同様に学校では小テストなどがある。

この単語テストを通して、小さな積み重ねの努力を行う習慣力、毎回70点以上を目標にして取り組む力を早い段階で身につけるためでもある。そのため70点以下の場合、私は一歩も譲らない。

単語テストが始まる前から生徒は言う、「全然勉強してないから出来ない、自信がない」。

そんな事は百も承知、しかし逃すわけにはいかない。「わかったよ、勉強できなかったならしょうがない、また来週やろう!」なんて言うはずが無い。

「わかったよ」「とりあえずスタートするから一旦見直しして」と言い、目の前の現実から逃さない、教室内では私が主導権をグリップしている。そして生徒には失敗したっていいと予め伝えている。しかし、できなければ出来る様になるまでどこまでも逃さない、再テスト。その後プリントを用意してスタート。

単語テストは5〜10分程、必死になって単語を書き始める生徒、自信のある箇所を先にリズム良く埋めていくが、しかし手が止まる。

「先生この単語何だっけ?」発音は教えるが、あくまでもテストなのでスペルなどは教えない。他の生徒にも同様、例外は無い、特別扱いも無い。全員が同じ土俵で戦っている。途中から「もう無理、出来ない」といい、生徒の顔色が曇り始める。

しかし、こればかりは本人の努力の結果にすぎないから誰のせいでもないのが事実であるが、小学生にしてみると地獄のような時間であるのも間違いない。

単語テスト終了後、先に採点をしてほしいと急かされて、「はいよ!」と丸つけを行う、結果は60点、目標の70点に近い惜しい数字ではあるが、「次週再テスト」

あえて、何も言わずに生徒に点数をつけたプリントを渡すと目の前で泣き崩れる。

泣く気持ちはわかるが、前回の授業から1週間、努力を怠ったのは本人である。責任は全て自分。

何度も繰り返しになるが、こればかりは、どうすることも出来ない。

大人になれば尚身に染みてわかる時がくる。努力はしたくないが北大に入りたいというようなもの、そして落ちて悔しくて泣くような感覚と変わらない。

生徒に聞く、「泣くのはいいが、この1週間を振り返って本気で泣くほど練習したのかな?」、「してない」と首を横に振る生徒。

私は鬼ではないし、ドSな性格でもないので、生徒に70点以下を取って欲しいなんて望んでいない、単語テストなんてサクッと終わらせてお互いに気分良く次の課題に取り組みたい、仮に再テストでも気持ちを切り替える術を身につける必要がある。

その後、泣いている生徒を慰めて85分を経過させるわけには行かない、「泣きながらでいいから、前回の宿題の丸つけをやるよ」と促して、サクサクと授業を始める。

悔しくて、泣いて私の説明にイチャモンをつけながら聞き、時には教室の机を蹴ったりする生徒、「お〜い、モノに当たるなよ!、家じゃねえんだから」「そんなに悔しいなら、なんで1週間練習をしなかったんだ?、単語テストの練習なんて1日10分、長くても30分ほど」「それが出来ないくらいに忙しいってなら話は別だが?どうだい?」と聞く。

返事は無い、答えはわかっている。

その後30分程授業を進めていくと、生徒もだんだん落ち着きを取り戻す。そして授業もいつも通りでは無いがある程度スムーズに進む、その後も悔しさと怒りを滲ませた目で私を睨みつける生徒と向き合いながら終わりの時間を迎える。

そして、不思議なことに親が来る5分前には何事もなかったかのように平常心を取り戻している生徒。

おいおい、さっきまで反抗期のワンチャンみたいにキャンキャン言ってたのに、親が来る時間は生まれたての子犬ちゃんになるのかい?笑って突っ込みたいが、まあ、いいだろう。

親御さんが迎えにきて、私から授業報告。隠し事は無し、泣いた話から全てを伝える。

しかし、生徒には帰ってから親から余計に怒られて欲しくはないから、泣いて悔しくモノに当たっていたとかは言わない。それくらいは多めに見よう。

しかし、生徒も私も親も理解する必要がある。今目の前の生徒の課題を。

小さな課題を乗り越える力を身につけるためには、自分の努力量がどれくらい必要なのかを知る必要がある。

そして、理解して欲しい、この小さな努力の習慣がやがて大きな成果として自分の人生に跳ね返ってくる時が必ずくると。

スポーツでもなんでもそうだが、大きな試合の前だけ必死に練習して、あとは週に2回くらいの練習では試合には勝てない。それで悔しくて泣くのは違う。

悔しくて泣くのは、これ以上出来ないと疲弊し、本気で努力したが結果が出なかった時に泣けばいい。

この先待ち受ける、定期テスト、高校受験、大学受験、英検、全てに当てはまる。

来週はどうなるだろうか?

私自身、元落ちこぼれの不良だった。

生徒の気持ちはわかるが、今が一番大事な時

目の前のことから逃げて一時的な快楽を得るのは誰でも出来る、

しかし、逃げないでやってみろ、必ず結果が出るから。

人生で一回は本気で何かに向き合ってみろ。

たとえ、英語でなくてもいい。

中途半端はだめ、一度逃げると逃げ癖がつく。

昔、生意気な高校生の女子生徒に言ったことがある、中途半端に髪染めて、ピアスつけて親に反抗して何が楽しいんだ? 不良やるならテッペン取るまで不良をやり通せ。中途半端に粋がるなら、幼稚園からやり直してこいと、、反省。

最後に、先生は口うるさいし、腹立つかもわからんが、

先生はしつこいし、絶対に諦めないし、逃さない。親御さんの顔色伺ってヘコヘコしているビジネスライクな先生とは訳が違う。

全ての男子生徒へ、反抗期やらなんやらで、腹が立ってモノに当たる、母親に生意気言うなら、先生に向かってこい、自分より強そうな奴に挑め、悔しくてやりきれない時、なんなら殴りかかってきてもいい、体で受け止めてやる。

そういえば、先生が中学生の時、授業中に担任の若い先生に廊下に呼び出されて、腹立って胸ぐら掴んだら思いっきり顔面殴られたな、そして殴り返したら、蹴り飛ばされて他の先生たちが慌てて廊下に出てきて止められた事がある。

他にも悪いことして、舐めた態度で先生の話聞いてたら、ちょっと来いって体育館に連れて行かれて、柔道やるぞって名目でぶん投げられた。

修学旅行前に他校の生徒と喧嘩して、顔パンパンに腫らして学校いったら、副担任の若い熱血な先生が、「お前ら、修学旅行いけなくなるの悲しくないのか?」と言うからヘラヘラして「行かねえよ」って言ったら、鬼の形相で目の前の机を思いっきりなぐりつけて手から血流して、「悔しい」って言ってた先生見て、「こんな俺たちのために、申し訳ないな」って思った記憶がある。

あの時、担任も副担も全員男の先生で今では考えられないようなタブーな事ばかりだったけど、本当に良かった。

だから先生も、生徒があの時努力して良かったと心から笑えるように、本気で向き合うから本気で挑め。

✳︎暴力はいけません。

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